世界最高の研究水準を目指す大学を国が支援する「国際卓越研究大学」に、東北大が認定候補に選ばれた。文部科学省の有識者会議が審査した。 国が認定すると、政府が拠出した10兆円の基金「大学ファンド」の運用益から、年数百億円が最長25年にわたり配分される。 政府が日本の研究力低下の打開策と位置づけ、巨額の資金獲得を国公私立大に競わせた。有力視されていた東京大や京都大は落選した。 来年度以降、認定校を段階的に数校まで増やす方針だが、恩恵を受けるごく一部の大学や研究者以外は切り捨てる「選択と集中」の制度ともいえる。 政府の統制と目先の成果が優先される側面が大きく、本当に研究力の向上につながるのか。危うさが否めない。 世界の中で、日本の大学の研究力が相対的に低下しているのは確かだろう。 国際的に注目度の高い論文数の最新統計によると、日本はイランに抜かれ過去最低の13位に沈んだ。1位の中国や2位の米国には