2023年1月7日のブックマーク (2件)

  • 郷愁的な景色に憧れる話。 - 水槽に浮かぶ脳みそ。

    夕飯ったのに腹減るのむかつく。 線路の上を歩きたいです。左手には眼下に透明な海と白い砂浜を望み、右手には濃淡ぐちゃぐちゃな生い茂った草木に浸された、そんな景色を2分割する単線の上を歩きたいです。季節は梅雨時の中の珍しい晴れの日、暑さと湿気がじみじみと染み出す日。蝉はいるでしょうか。いるかもしれませんが数は少ないはずです。そんな線路をひたすら歩いて、草木の作る日陰をありがたがりながら歩き続け、線路の終わりには自分の背丈ほどの小さな鳥居と社があって、そこで自分の身体は役目を果たしたと言わんばかりに指先から崩れ落ちて全て土に還ります。 三途の川より絶対こっちの方がステキです。 おわり。

    郷愁的な景色に憧れる話。 - 水槽に浮かぶ脳みそ。
    PPunishment
    PPunishment 2023/01/07
    此岸と彼岸の境界が自分の前に横たわっているのではなく、そのあわいを歩き続けるのだという発想が素敵。
  • 【習作】苔むす貴女 - katabamido

    森のなかで。 鼻をくすぐる匂いで目が覚める。 顔をしかめるほどの臭気ではない。 小学校のバケツにかけてある雑巾のような、金魚の水槽のような、湿度をはらんだ生臭い匂いがする。 周りの地面はぬかるんでいて、周辺には腐ってしまった木々が折り重なるようにして倒れている。 もともと軟弱な土地だったのだろう、どの木も細く、どこか不健康な印象を受けた。 少し肌寒い。 森というよりは湿地のようだ。 目が覚めたのだから倒れていたのだろうが、上体を起こした記憶はなかった。 着ている服も、汚れたり濡れたりしている様子はない。 ただそこにいる。 その時点で、夢を見ていることに気が付いた。 会社の同僚の声が聞こえる。 「あなたには、哭き女と契約していただきます。」 その声には、少しだけ哀れみが込められているような気がした。 すぐに 姑獲鳥 ( うぶめ ) が思い浮かんだが、どこか釈然としない気持ちで頷く。 すぐ近く

    【習作】苔むす貴女 - katabamido