安倍晋三首相は一日の参院予算委員会で、今国会に提出予定の「働き方」関連法案から裁量労働制の対象を拡大する部分を削除すると正式表明した。高収入の専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル(残業代ゼロ)制度」創設については「予定通り今国会に提出する法案に盛り込む」と強調した。民進党の大塚耕平代表への答弁。 首相は裁量労働制を巡る厚生労働省のデータに多数の不備があったことについて「精査せざるを得なくなったことを重く受け止めている」と表明。実態把握に努めるとともに、裁量労働制の対象拡大部分を法案から「全面削除する」と語った。 大塚氏は、法案に含まれる残業時間の罰則付き上限規制や非正規労働者の待遇改善を図る「同一労働同一賃金」について「われわれも賛成だ」と指摘。長時間労働につながるとの批判がある残業代ゼロ制度も関連法案から削除すれば「前向きに審議に応じられる」と迫った。