毎年春の入社式。私が短い講話をしたあと、質問コーナーを設けます。そのとき、真っ先に「はいっ!」と手を挙げて質問をぶつけてくる新入社員がいます。 「会長、これについてはどうお考えでしょうか?」 若者らしく元気いっぱい。ハッスルしている様子がありありと見てとれます。ところが、経験からいうと、そういうタイプの社員はまず伸びません。いまも何人かの顔が浮かんできますが、残念ながら、そのうちかなりの者がワタミを去っています。結局、彼らがひけらかす「元気」は、内実をともなわない虚勢なのです。 心の底から「ぜひ聞いておきたい」ということがあるならいいのですが、たいていの場合はそうではなく、元気よく質問している自分を周囲に見せたいだけなのです。それは質問の中身を聞いていればわかります。 そういう人はプライドが高く、自分を実際以上に評価しがちです。しかし、現実の仕事は地道な努力の積み重ねですから、どうしても自