大腸のさまざまな細胞になる幹細胞を体外で増やし、傷ついた部分に移植して修復することに東京医科歯科大の渡辺守教授(消化器内科)らのチームがマウスで成功した。ヒトの大腸の難病治療につながる可能性がある。12日、米科学誌ネイチャーメディシン(電子版)に掲載された。 大腸の内壁表面にある「上皮細胞」は、傷つくと潰瘍や大腸がんにつながる。チームはマウスの上皮細胞を体外で大量に培養する技術を開発。この技術を使うと、上皮細胞に多く含まれ大腸のさまざまな細胞になる能力を持つ幹細胞も増やせることを確かめた。 増やした幹細胞を、特殊なゼリー状の物質に混ぜ、人工的に潰瘍を作り出したマウスの患部に移植したところ、約4週間後には周囲の上皮細胞と変わらない正常な組織になり、潰瘍を修復できた。この状態を6カ月以上維持できたという。 チームは、ヒトの大腸組織から上皮細胞を体外で大量に増やす技術も開発している。渡辺教授は「