仕事に追われた末の若者の過労死が後を絶たない。システムエンジニアとして大手IT企業で勤務していた神戸出身の西垣和哉さんは鬱(うつ)を発症し、2006年1月、27歳の若さで命を絶った。母親の迪世(みちよ)さん(66)=神戸市須磨区=は「必死になって育てた子を、なぜ会社につぶされなければならないのか」と悲痛な声を上げる。迪世さんら全国の遺族でつくる「過労死を考える家族の会」は国に対策法の制定や労災の認定基準見直しなどを求めている。(中部 剛) 和哉さんは神戸の専門学校を卒業後、02年に神奈川県に本社のあるIT企業に入社した。03年春からは地上デジタル放送のプロジェクトにかかわり、朝から深夜までパソコンに向かう日が続いた。 03年4〜9月の平均残業時間は97時間で、1カ月に150時間を超えたこともあった。午前9時に出社し、翌日の午前8時半に退社。その30分後に出社して午後10時までという異常な勤