奈良県生駒市・岡クリニック 院長 岡 留美子先生講演 ベンゾジアゼピンの処方 ベンゾジアゼピン系薬物(以下ベンゾと略す)は、不安・緊張の緩和、睡眠導入効果などの切れ味の良さのため、精神科だけではなく、一般科でも数多く処方されてきた。漫然と長期処方が行われる中で、厚生労働省が注意を喚起したことは記憶に新しい。本年4月からは、同じ量のベンゾを1年以上継続処方すると、処方箋料の減算という診療報酬でのペナルティーがかけられるようになった。 筆者は精神科医になりたての頃、先輩医師からは「ベンゾは安全な薬だから長期使用しても問題ない」と教えられ、それを信じ、多くの患者に多数処方していた。多くの患者はそれでも大きな副作用もなく、原疾患の改善とともに減量できて、最終的に服薬終了できたケースも少なくない。 しかし、長く精神科臨床をしてくると、ベンゾを終了あるいは減量後、その患者にベンゾが望ましくない副作用を