コンビニ最大手セブン―イレブン・ジャパン(東京)が6月、海外名門サッカークラブの来日試合の観戦チケットが抽選で当たるとうたい実施したキャンペーンで、車いす使用者らの応募を拒んでいたことが分かった。ウェブサイトに注意事項として「車椅子ご利用や介助が必要なお客様への対応は行っておりません」と掲載。当事者からの問い合わせに「車いす席がないので応募しないでほしい」と回答していた。専門家は「障害者差別解消法が禁じる障害を理由とした不当な差別的取り扱いに当たる」と指摘する。(大西隆)
世界で最も身体拘束が行われている日本の精神科病院。厚生労働省では現在、拘束要件の見直しが不透明なまま進むが、精神科病院を束ねるドン・日本精神科病院協会(日精協)の山崎学会長(82)はどうとらえているのか。「こちら特報部」の単独インタビューに応じた山崎氏の言葉を詳報する。(木原育子) やまざき・まなぶ 2010年から日本精神科病院協会会長。22年5月の厚労省の私的検討会に突如、参考人として出席し、議論の風向きを変えるなど影響力が大きい。18年には協会の機関誌に「(患者への対応のため)精神科医にも拳銃を持たせてくれ」という部下の医師の発言を引用し、物議を醸した。安倍晋三元首相と親しかったことでも知られる。日本大医学部卒。
政府は今月9日に閣議決定したデジタル施策の「重点計画」で、母子健康手帳(母子手帳)とマイナンバーカードの一体化を目指す方針を示した。一体化に対し、子育て中の親や医療関係者らから不安の声が上がっている。相次ぐマイナカードのトラブルで情報流出への懸念が高まっている上、親と子双方の情報を一覧できる紙の手帳の良さが損なわれる可能性があるためだ。(嶋村光希子)
政治に関心のある若者でつくる「選挙ギャルズ」が20日、安倍晋三元首相の国葬や改憲に反対するパレードを東京都内で行った。インスタグラムなどの交流サイト(SNS)で呼びかけ、約110人が参加。「国葬うちらは求めていない」などと訴えながら、日比谷公園から日本橋まで約2キロを行進した。 選挙ギャルズは5月末、地方選挙のボランティア活動を通じて知り合った大学生や会社員ら平均年齢21歳の10人が結成。この日は「ラブ&ピース・パレード」と称し、軽快な音楽に合わせて「うちらは求めてない国葬」「返せようちらの民主主義」と声を上げた。「国葬に反対」「憲法改悪マジ反対」など自作のプラカードを掲げて歩いた。 メンバーの1人は取材に「国民の意見に耳を傾けず、国会の議論も経ずに国葬を決定した。民主的でないやり方は信頼できない」と話した。パレードに参加した都内の女性会社員(24)は「コロナ禍で格差が拡大したのに、手を打
新型コロナウイルスの第7波が拡大する中、東京都内では感染で容体が悪化しても救急搬送が極めて困難な状況となっている。7月末には高齢のがん患者の搬送先が見つからず、感染判明から10時間後に自宅で亡くなった。都が公表する病床使用率は50%台と数字上は空きがあるものの、訪問診療の医師は「なぜ入院できないのか」と憤りの声を上げる。(小川慎一) 搬送先の病院が見つからず、感染判明から10時間後に自宅で死亡した男性に手を合わせる田代和馬院長(手前)と男性の妻=東京都品川区で(ひなた在宅クリニック山王提供) 7月28日午後9時前、品川区内のマンション一室で、救急隊員がスマートフォンで電話をかけていた。感染し容体が悪化した男性(83)の搬送先を探し、既に2時間を超えていた。駆けつけた区内の「ひなた在宅クリニック山王」の田代和馬院長が「100件ぐらいかけたか」と聞くと、隊員は「100件以上かもしれない」。
IT大手ヤフーがニュース配信サイト「ヤフーニュース」に掲載するエンタメなどの一部記事に関し、誹謗中傷の抑止を目的に読者のコメント投稿欄を閉鎖したことが30日分かった。週刊誌やスポーツ紙など少なくとも3つのメディアの提供記事が対象。これまでも差別的な投稿を個別に削除したり、「炎上」の恐れがある個別記事のコメント欄を非表示にしたりする対策を取ってきたが、今回は特定メディアのエンタメ記事に関するコメント欄を一斉に閉鎖する措置に踏み込んだ。 インターネット上の誹謗中傷はコメント欄を舞台にエスカレートする場合も多く、人を傷つけ自殺者を出すなど深刻な社会問題となっている。ヤフーは過熱する皇室報道をきっかけに今回の対応を取ったが、コメント欄がなくなると対象記事の閲覧数が減ることが見込まれる。ネットニュースの基盤を握るIT大手と報道機関の関係を巡り議論を呼びそうだ。 コメント欄が閉鎖されたのは小学館の「N
政府がマイナンバーカード普及に向けて約1兆8000億円を投じた「マイナポイント事業」の申込率が、カード取得者全体の5割にとどまっている。買い物金額に応じて電子決済サービスで使えるポイントを付与する仕組みだが、手続きの煩雑さに二の足を踏む人も少なくない。(坂田奈央) マイナポイント事業 マイナンバーカード取得者を対象に最大2万円分のポイントを付与する。2020年9月~21年12月の第1弾に続き、第2弾も今年1月から始まった。カード取得後に申し込むと、買い物金額に応じて最大5000円分(第1弾との合計)がもらえる。6月30日からは、健康保険証とのひも付けや公金受取口座の登録をした人を対象に、各7500円分の申し込み受け付けとポイント付与を始める。申込期限は来年2月末。いずれも今年9月までのカード申請が条件。
家庭の貧困が子どもの学習理解や進学を阻む傾向が、内閣府の初の全国調査で明らかになった。貧困層の子どもの学校の授業が「分からない」割合が、比較的暮らし向きが安定している層の3倍以上で、進学希望が「中学・高校まで」にとどまる割合は4倍以上だった。生まれた環境が人生を左右しかねない「親ガチャ」がデータ面からも裏付けられ、対策が求められている。(渥美龍太) 調査は昨年2〜3月、全国の中学2年生とその保護者5000組に郵送で実施し、回収率は54.3%。世帯の収入を調べ「貧困層」「準貧困層」と、比較的に暮らし向きが安定している「それ以外」に分け分析した。 子どもにクラスの中での成績をどう思うかを聞くと、貧困層は「やや下のほう」と「下のほう」の合計が52%と、それ以外の26%の2倍に上った。授業の理解度で「ほとんどわからない」と「わからないことが多い」の合計は、貧困層が24%となってそれ以外の7.3%
東京都千代田区が「神田警察通り」の整備に伴うイチョウ並木の伐採工事に着手してから2日目の26日、工事の中止を求める住民らは引き続き現場に集まり、樹木の前に座り込むなどして伐採に反対した。 工事は25日午後8時から始まり、イチョウの周囲が工事用の柵で囲まれた。集まった住民らは樹木にしがみつくなどして伐採の阻止を訴え、翌日午前6時の工事終了時間まで樹木は切られなかった。住民らは26日も「区はもっと声を聞くべきだ」と現場で抗議した。 また、区が「お気づきの点があれば連絡を」と現場に設置した看板に掲示した工事会社の電話番号が誤っていたことが、25日の区議会委員会で区議の指摘で分かった。看板が設置されたのは13日。区議は「2週間近くも誤った番号を掲示していた。この案件はすべからく問題が多い」とずさんさを批判した。 イチョウ伐採工事を巡っては、初めての住民説明会を区が開いたのが工事契約後の昨年12月だ
みずほフィナンシャルグループ(FG)の木原正裕社長(56)は本紙のインタビューで、顧客に影響の大きいシステム障害が今後発生した場合には、障害を把握してから「1時間以内に連絡が来る。部長レベルの会議もやる」と述べた。昨年2月の障害発生時に前社長らの把握が遅れたことについては、「僕にはメールも来るし重要なものは電話も来る」として、現在は改善したと説明した。(皆川剛)
AV出演強要は「問題ある契約」のみ全年齢で取り消し可能 18、19歳の取り消し権は断念 支援団体は「被害救済できない」 成人年齢引き下げに伴う18、19歳の若者を狙ったアダルトビデオ(AV)出演強要問題に関し、自民、公明の与党は13日、プロジェクトチーム(PT)を発足させ、全年齢を対象に「問題のある契約はいつでも取り消し可能にする」との新法創設を目指す方針を固めた。保護者の同意がなければ、契約を解除できる「未成年者取消権」と同等の措置を18、19歳に適用することを検討していたが、法的に難しいと判断した。(佐藤裕介) 未成年者取消権なら、保護者の同意がないというだけで契約を解除できたが、与党が検討する内容の法律だと、被害者側が「問題のある契約」だったと立証する必要性に迫られる可能性もある。支援団体から批判の声が上がっている。 PTは立法措置の基本的な考え方として「18、19歳に限らず、全ての
れいわ新選組は11日、参院選の東京選挙区(改選数6)に新宿区議の依田花蓮(よだかれん)さん(50)を擁立すると発表した。 依田さんは心と体の性が一致しないトランスジェンダーであると公表しており、36歳の時に男性から女性になる性別適合手術を受けている。国会内で記者会見し、「女性や外国人、障害者など行きづらさを抱える人たちの困難を解消したい」と語った。 愛知県豊橋市出身。ミュージカル俳優や行政書士を経て、2019年の新宿区議選で38人中4番目に多い得票数で初当選し、現在1期目。国政を目指す理由を問われると、「自治体のパートナーシップ制度は法的拘束力がない。同性婚が法律で認められるように求めていきたい」と述べた。
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