理化学研究所(理研)と名古屋大学(名大)の研究グループは、X線領域での非線形光学現象を利用して、波長206Åでその380分の1相当(0.54Å)という、超高空間分解能の顕微手法を開発した。 同成果は、理研播磨研究所放射光科学総合研究センター 石川X線干渉光学研究室の玉作賢治専任研究員、石川哲也主任研究員らと名古屋大学大学院工学研究科西堀英治准教授の研究によるもので、科学雑誌「Nature Physics」(オンライン版)に掲載された。 顕微鏡の歴史は古く、その発明は16世紀末まで遡る。また、肉眼では見えないものを最初に見た事例は、ガリレオ・ガリレイが昆虫の複眼を観察したもの(1610年頃)といわれており、以来、「いかに細かいものを見ることを実現するか」が、光学分野での重要テーマの1つとなっていた。1878年に、独イエナ大学のE.アッベが、空間分解能は原理的に波長の約半分で決定されることを示