前回、イコライザを用いて高域だけを残したソースをMP3にエンコードした結果、それなりに高域成分を含むMP3ファイルを生成できることを実験した。その結果、高域をある程度ブーストした上で、MP3にエンコードすると音質が多少補正されるのではないかという仮説が考えられる。実際、そうしたことを試みているマスタリングエンジニアもいるようだが、どのようなことになるのか試してみた。 ■ エンコード前段の高域ブーストに意味はあるか? 第200回の記事では、CakewalkのSonitus EqualizerというパラメトリックEQをハイパスフィルタとして用い、低域をバッサリ落とした音をMP3にエンコードした結果、面白い結果が見えた。固定ビットレートで試した場合、128kbpsでは、どうしても16kHz以上の音が消えてしまうが、192kbps、256kbpsの場合、それなりによい結果となり、イコライザ処理をし