いつのまにか1000エントリ超えてたので、ここらで100に絞ってみる。 このblogで「スゴ本」認定されたもの、企画「この○○がスゴい」で挙げられたものを、100にまとめてご紹介。順序適当、偏見なし、ビジネス、サイエンス、エロマンガ。ブンガク、ビジュアル、なんでもアリ、啓蒙、アダルト、劇薬なんでもござれ。「ノンフィクション」、「フィクション」、そして「劇薬系・成人指定」の三本立てでご紹介。番号は便宜上つけたものなので、ランキングにあらず。 こんなにスゴい本に出合えたのは、すべてあなたのおかげ。いい本はたくさんあるのだが、全部読んでるヒマもないし、探している時間も足りない。だからわたしは、スゴい本を読んでいる「あなた」を探す。あるいはこのblogにやってきた「あなた」の言を待つ。そうしたツッコミやアドバイスをいただき、とても感謝しています。 この100リスト全て鉄板モノだが、「それをスゴ本と
見えてる穴に落ちていたことに気づかされる一冊。 革新的なアイディアは、どこからか「ふってくる」と考えている人は、けっこういる。わたしもその一人で、アイディア出しの手法・ツールを準備すれば、あとはインスピレーションの女神が降りてくるのを待つだけと考えていた…そして、今も待ちつづけている。 あるいは、天才肌のカリスマが全く新しいアイディアで世界を変えてしまうことを、「イノベーション」だと考えている人は、かなりいる。わたしもそう思ってた、iPod の「新しさは」ジョブズだから生まれたんだと、ね。 本書を読んで、わたしの思い込みは粉砕された。もちろん、エジソンが電球を発明したわけじゃないことや、Google の最初のアイディアはYahooで却下されてたことは知っていた。が、知っていたにもかかわらず、わかっていなかった。著者はそれを、イノベーションの神話と呼ぶ。そして、 イノベーションにまつわる神話
タイトルは丸谷才一「思考のレッスン」より。読書について、書くことについて、沢山のヒントをもらった。「読書のコツ」、今風に言うなら「読書Hack」。ただし、効率ばかりの安手なものと違って、ひとつひとつ自分で読みといてはヤクロウに入れる手間はある。 ■本の読み方の最大のコツ 最も激しくうなづいたのは、本の読み方の最大のコツ→「その本を面白がって読め」。その本を面白がって、その快楽をエネルギーにして進め、という。言い換えると、「面白くない本は読むな」となる。面白く思えない本をガマンして読んで分からないなんて、つまらない。その時間、別の本を面白がって読んで得られる効用の方が大なり。 読書は快楽なんだ、ベッドの上でする二つの快楽のうちの一つなんだ。もう一つの快楽が何かは言うまでもないけれど、それぐらい愉しいことなんだ。もちろん、もう一つは睡眠だね。読んで寝て暮らす、これぞ究極の快楽。 ■本を選ぶポイ
2007年05月16日08:00 カテゴリ書評/画評/品評 書評 - データはウソをつく 実にキレがあるのにコクがある一冊。 データはウソをつく 谷岡一郎 「統計数字を疑う」が難しすぎた人でも、本書なら安心。 本書「データはウソをつく」は、副題に「科学的な社会調査の方法」とあるとおり、現大阪商業大学学長の著者が、超初心者向けにデータの集め方から分析のしかたまでを解いた本。その過程で当然読者はデータの誇張の仕方を学んで行く事になる。 と書くと、なんだか難しそうだ。実際本書には数量変数とか従属変数とかT-検定とかといった、統計用語もちゃんと登場する。しかしご安心あれ。いしいひさいちの漫画がわかる人なら、本書は確実に理解できる。なにしろ著者自身が、本書の最後でこう述べている。 P.164 引用した十一編の4コマ万がをザッと見るだけで、本書の言いたいことのほとんどがカバーされています。 そう。本書
メンタル的にバランスがよくない人、例えば、やたらにせっかちだったり、必要以上にがんばってしまったり、部下を大声でどなりつけたり、過度にストレスを感じるetc....という人を、精神医学では「A型行動パターン」と呼ぶそうです(ちなみに血液型のA型とは全く関係ないそうです) このA型行動パターン(本書ではタイプAという形で略されていたので、以後はそれにならってタイプAとします)は、個人特有のものなのか、社会一般のものなのかということについて述べられていて、 便利になればなるほど、ますますソワソワした感じになってくるのです。極端な言い方が許されるなら、現代社会はいいわば「タイプA社会」で、「タイプA人間」にならないと乗り遅れてしまうような社会になっているのです。( P.62より) とあり、ある意味環境面での影響が大きいところはあると書かれているが、そういう世の中に対して違和感や抵抗感を感
「シャドーワーク」について、豊富な実践例+網羅的な考察をした一冊。ヒット商品やイノベーションの陰には「シャドーワーク」が必ず存在する。ルーティーンワークからの変革なんてありえないし、創造的な価値は管理者の目の届かないところから生まれる。これはわたしのような兵隊ではなく、人事部の将校クラスが肝に命じておくべき。 「シャドーワーク」とは、通常業務から外れた、個人の自主的な意志と裁量で創造的に編み出した仕事のこと。仕事そのものへ結びつかないまでにしても、その準備活動も含まれる。いわゆる「やってみなはれ」「渦は自分で起こせ」というやつ。 たとえば、日産の例。新型マーチのコンセプトづくりにあたり、設計開発ラインの「外」で「こっそり」人を集め、意見を出し合う。あるいは、リコーの場合。GR DIGITALの専用Blogを提供するにあたり、「業務外で」「手弁当で」組織横断的に立ち上げる。仕事として「決まっ
2007年のNo.1スゴ本、幻想と現実が絡みつく、悪夢のような小説。 たいていの小説はdriveするように読んでいる。読むスピードやペース、展開の先読みをどこまで自分に許容するか、といったことを意識してハンドリングしている。ところがこれは、本に飲み込まれる感覚。物語に引きずり込まれ、その世界に放り出され、彷徨い歩く。driveされているのは「わたし」だ。 物語のイメージは夜、しかも真黒なやつ。読み始めるとすぐに、手で触れられる闇がねっとりと皮膚にからみついてくる。もちろん昼間のシーンもあるが、読み手は夜の中から覗き見ているような気分。重要な出来事は夜に起きる。歴史は夜作られる。 これは、もうひとつの二十世紀の物語。ヒトラーが死なず、1970年代になってもドイツとアメリカが戦争を続けている二十世紀。わたしたちの知る二十世紀と、もうひとつの二十世紀の間を、物語が振り子のように行き来する。 スト
2007年05月07日18:30 カテゴリ書評/画評/品評 書評 - サイエンス・サイトークの6冊 うち最新作がこちら。 方向音痴の研究 日垣隆 Science Xitalk - サイエンス・サイトークは、日垣隆と有村美香が、科学者たちをスタジオに呼んでインタビューするラジオ番組。ラジオがなくてもありがたいことにpodcastもされている。 各界のトップランナーへのインタビューは、それだけで面白いものだ。外しようがないだけに、世の中にはこの手のトップランナーインタビューを本にまとめた枚挙に暇がないはずなのだが、なぜか日本では科学者に対するそれは希有である。すぐに思いつくのは、立花隆が科学朝日 - SCIaSで続けていた連載をまとめた、「サイエンス・ナウ」から「100億年の旅」に至るシリーズがあるのだが、ちょうどそれが終わる頃にサイエンス・サイトークがはじまって、なんとか途切れずに来たという
敬愛するまなめさんから[御依頼]がッ、テーマ自由で3冊レビューせよという[企画]とのこと…ラジャー。「読むだけでモテる3冊」や「自慰の回数が確実に変わる3冊」あたりが浮かんだが、ここはひとつ、マジメに「親になったら読むべき3冊」でご紹介。 子どもを育てる最終目的は「わが子を大人にすること」。それ以上も以下もない。自立し、自律できる「大人の男」あるいは「大人の女」になり、自分の人生を生きてもらうこと。そのために、きっと役に立つ3冊を選んでみた。 ■子どもへのまなざし(佐々木正美) 鉄板。特に男親は読め(強調)。子育てで悩んだり、苦しい思いをしたりすることは、必ずある。そのときに、この書名を思い出してほしい。本を読むことで、つらさや心配を消すことはできないが、苦悩する自分を丸ごと肯定してくれるだろう。 どのように子どもと接するかのハウツー本ではない。そんなものは巷に溢れている。これは、親をやっ
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(07/18)私はいかにしてニセ科学批判者と呼ばれるに至ったか (07/17)産総研がバイオインフォマティクスのワークショップを開催するようです (07/12)IBMがゲノムビジネスに本格参入するらしい (07/11)ホメオパシー助産師のビタミンK2の問題が裁判になった (07/04)日本トンデモ本大賞2010オープニングムービー (07/03)トゥーリオ・シモンチーニのがん治療についてのまとめ (03/29)『「トンデモ」批判の政治性と政治の未来』にコメントしてみる (03/24)ニセ科学商品バイオラバーについてのまとめ (03/23)正しい目薬のさし方 (03/21)科学なポッドキャストをまとめて紹介してみる はじめにお読みください(1) サイエンスニュース(122) 宇宙開発・天文ニュース(78) サイエンストピックス(57) バイオニュース(155) バイオインフォマティクス(17
2007年04月25日13:00 カテゴリ書評/画評/品評Logos 書評 - はかり方の日本語 こういう本を私は読まずにいられない。 はかり方の日本語 久島茂 「数え方でみがく日本語」や「 数え方の辞典」が答えてくれなかった疑問や、提出していなかった課題がここにある。 本書「はかり方の日本語」は、数量を通して日本語、そして日本人が世界をどう捉えているのかを考察した本。その考察がどれほど根源的かは、オビを見れば明らかだろう。 オビより 「一日中」とは言えるのに、なぜ「一時間中」とは言えないのか? 「十、十一日」を声に出して読むとどうなる? 戦争は数えられるのに、平和が数えられないのはなぜか? 「2センチ長い鉛筆」は、なぜ長さが2センチの鉛筆ではないのか? 球も円も区別しないで「まるい」という理由は? などなど 目次 - 筑摩書房 はかり方の日本語 / 久島 茂 著を追補 はじめに 数字と言
男にとってこれほど楽しめる自虐系エンタ本ないのではないか。「男は3語であやつれる(伊東明)」(参照)を読みながら、おっ、これはイタイ、かなりイタイ、これはちょっと回復に一服必要系のダメージ、一晩ヤケ酒系のダメージとか、わくわくしながら読んだ。もっとも書籍としてはどうよなんだけど、エンタ本は笑ってなんぼでしょ。 読みながら、これはブログ男の心理そのものではないかという感じもしてきて、ヒリヒリとイタイ。 「眠れる獅子」「身を潜める龍」「在野の大賢人」。男性が好きなイメージです。 ほとんどの男は心のどこかで「オレはこう見えても眠れる獅子だぜ、ほんとうはタダ者じゃないんだぜ」という妄想を抱いて生きています。 おお、そうそう (はい、そこのヤローさんたち合唱で、はい、「そうそう」ご一緒に)。特に、ブログなんて「眠れる獅子」「身を潜める龍」「在野の大賢人」が絢爛豪華じゃないですか。自傷じゃないや自称し
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