民主党の小沢一郎代表の地元中心部であるJR東北線水沢駅(岩手県奥州市)から約20キロ。残雪で覆われた焼石連峰の山間に、胆沢(いさわ)ダムの工事現場はある。岩石や土砂を積み上げ建設する「ロックフィルダム」では国内最大級。工事現場に立つと、ダム工事で準大手ゼネコン「西松建設」が請け負う巨大な滑り台のような排水設備が目に飛び込んでくる。受注額は約47億円だった。 「ダム工事が受注できるようお願いした」 小沢代表の公設第1秘書、大久保隆規(たかのり)容疑者(47)とともに、政治資金規正法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕された西松前社長、国沢幹雄容疑者(70)は、調べに対してこう供述したとされる。 政界との関係を西松で一手に仕切っていたという国沢容疑者。平成5年6月、特捜部が仙台市長を摘発したゼネコン汚職事件で、西松の副社長が贈賄容疑で逮捕された際に、当時、常務だった国沢容疑者は報道陣を前に次のように