日経新聞の紙面に「トヨタ営業赤字」「もの作り日本、転機」というタイトルが出たのは昨年12月23日のことだった。以前から「トヨタが赤字になる日は必ずくる」と思っていたわたしの予想が当たってしまった。 もう一つ当ってしまったのは、やはり「米国のバブル崩壊」だ。5、6年前、現職の大臣だった竹中氏に出した質問は「世界恐慌は来るか」だった。恐慌になるかどうかは分からないが、住宅バブルが崩壊し大不況に突入したことは予想通りだった。その影響でマーケットの縮小と円高でトヨタは営業赤字になる。昨年の2兆円を超える営業利益が1年で赤字になるとは、まさに凄まじい変化が起こっている。わたしは今回の変化よりも、次に与えるいろいろな影響を心配している。その一番はモラルハザードのまん延だ。 まず検証しておきたいのがホンダとの比較だ。売り上げではトヨタよりも少ないホンダの方が、今回の為替リスクはトヨタより影響が小さか