職場のストレスでうつ病などの精神疾患を発症し、労災認定される人が4年連続年間400人を超えるなど(※)、企業におけるメンタルヘルス(心の健康)対策の重要性が改めて認識されている。日本メンタルヘルス講師認定協会代表理事の見波利幸さんによると、個々の事情を考えない「誤解」も増え、間違った対処法で「部下の心が折れてしまう」ことも少なくないという。どんな勘違いで心が折れてしまうのか、解説してもらった。 職場におけるメンタルヘルス不調問題は、一向に減る兆しが無い。うつ病などによる休職期間が長期化したり、復帰しても休職を繰り返したり、復帰後のパフォーマンスが上がらなかったりと、むしろ問題が複雑化・深刻化する傾向が見られる。 問題をこじらせてしまう一因として考えられるのは、そもそも不調が生じた原因を個別に深く掘り下げず、よく見聞きする例などから「過重労働が問題だった」「上司が厳しすぎた」「コミュニケーシ