信仰の証だったご朱印 “ご朱印ガール”という言葉を初めて聞いたのは確か数年前だったと思う。このとき、恥ずかしながら私は、「奇特な人も居るもんだ」というぐらいにしかとらえていなかった。 同様の感覚を抱いていたお寺関係者は少なくない。私より少し年上の知人僧侶に、もう20年も前から全国各地のお寺を巡ってご朱印集めをしてきた“ご朱印ボーズ”がいるが、彼もいまだに“ご朱印ブーム”に違和感があるという。 彼は一般家庭に生まれ、大学時代に志を持って仏門に入った。そして、真摯な想いを抱いてお寺を参拝し、その証として朱印をいただいてきた。私と知り合う前に、私の生家のお寺も訪ねてきたこともあるらしい。インターホンを押して「ご朱印をお願いしたいのですが」と言うと、母が和室に迎え入れてお茶を出してもてなしてくれた。その心遣いが嬉しかったそうだ。 生家のお寺は浄土宗の開祖法然上人が晩年に讃岐の国に配流される道中に立
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