日本文学振興会は7月18日、第159回直木三十五賞を発表。島本理生さんの『ファーストラヴ』(文藝春秋刊)が受賞を果たした。 『ファーストラヴ』は、「家族」という名の迷宮を描いた長篇作品。夏の日の夕方、女子大生・聖山環菜は就職活動の帰りに自らの父親を刺殺した。凶行に及んだ際に使用したナイフは、予め購入していたものだった。どうして彼女は、父親を殺さなければならなかったのか。臨床心理士の真壁由紀は、事件を題材にしたノンフィクション作品の執筆を依頼される。環菜と面会を重ねるごとに浮かび上がってくる事実。いったい、環菜の過去には何があったのか? 第159回直木三十五賞の受賞を果たした島本理生さんは、2回目のノミネートでの受賞(芥川賞ノミネートは4回、直木賞は今作が2回目のノミネート)。著書には、『夏の裁断』(第153回芥川賞候補)や『アンダスタンド・メイビー』(第145回直木賞候補)などがある。 《