元旦の富士山。成蹊気象観測所から宮下敦所長が200ミリ相当レンズで撮影=東京都武蔵野市吉祥寺 東京都武蔵野市にある成蹊気象観測所の観測で、富士山が見えた「富士見日数」が昨年、過去最多の116日を数えた。観測を始めてほぼ半世紀。大気汚染が次第におさまってきたほか、乾燥化も背景にあるようだ。 成蹊高校・中学の観測所で、富士山は約85キロ南西に位置する。地学教諭の宮下敦所長(51)らが毎朝、気温や雨量の観測とともに、校舎屋上から富士山の目視観測を続けている。これまでの最高は1999年の107日だった。 観測を始めたのは63年。工場からの煙や自動車の排ガスで、大気汚染が社会問題になっていたころだ。65年は年間で22日しか富士山が見えず、最少記録となっている。 「東京に青空を」と訴えて美濃部亮吉知事が初当選したのが67年。公害対策に取り組んだ成果か、富士見日数は70年代から増加傾向に。石