人には、他人からの承認を得ることによって自分の価値を確認したいという願望がある。とくに日本では、互いに「空気」を読み合うという暗黙の了解を踏み外すと、相互承認の土俵から排除されてしまうという結果が待っている。 「空気」を読むことは、場の「空気」を醸成するメンバーへの思いやりとして発揮されもするが、横並びからの逸脱を許さないバッシングとしても発動される。その潮目は 「空気」次第で、はっきりとはしない。 目には見えない「空気」に対処するには、どうすればいいのか。引き続き、萱野稔人さんに聞いた。 --前編では、他人からの承認を得ようとするために「空気」を読むことが、日本人のコミュニケーションの基礎になっているとお話しいただきました。また、現代のいじめは、「空気」を読まなくてはならないという圧力に耐えかねて起きているとの指摘もいただきました。日本人は現状のコミュニケーションに相当ストレスを感じてい