気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン (前回から読む) 前回は古典の翻訳を読んでも意味がよく分からない場合、翻訳が悪いためであることが少なくないと指摘した。今回は翻訳を読んでも理解できないことが多い理由を考えていきたい。 いきなり身も蓋もない話をしよう。じつのところ、八百屋に行けば魚が買えると思ってはいけないように、古典の翻訳を読めば意味が分かると思ってはいけない。最近は違ってきたが、以前にはそういう場合が多かった。古典を学びたいのであれば、原書を読みなさいというのが常識だったのだ。では、翻訳書は何のためにあるのか。原書を読むのは簡単ではないので、参考にするためだ。かたわらに翻訳書を置いて原書を読む。これでも意味を理解するのは容易ではないので、もうひとつ、解説書もかたわらに置いて