インドの科学者モハメド・バブによって撮影された写真作品。色付きの砂糖の液体を食べた蟻が見せる、何とも不思議な光景です。 'you are what you eat'(食は人なり)という諺がありますが、今回の蟻を観る限り、「食は蟻なり?」その表現は間違いありませんね。カラフルな液体砂糖を食べた蟻の腹部は、それぞれの色が透けて見えています。いくつかの蟻は、複数の色の砂糖を食べ、新たな色が合成されています。生物の不思議な生体を利用した作品です。 この作品はMohamedの妻が、牛乳を食べた蟻の腹部が白くなっているのを彼に伝え事から着想を得ました。また53年前の発見で、蟻は黄色や緑の様な蛍光色を好む事が分かっています。そこで彼の妻の行動によって両者が結びつき、この作品が生まれたのです。 蟻の生体が分かり、また作品としての存在価値もある。科学者という専門性を持ったアーティストというのは、大変興味深い