「ノックスの十戒」「ヴァン・ダインの二十則」はミステリ界では常識的なことなので、わざわざ書くほどのことかと思う。しかも、流水大説や竜騎士大説などを見るに、現代の推理小説(大説)では、十戒や二十則は完全に無視して書いても、(激しい批判を受けながらも)ヒット作になりうることが分かる。だから、現代ミステリにおいては、10も20も合わせて30も覚えなくても、たった1つの簡略版で十分なのではないか。 ――「現代ミステリに十戒も二十則もいらないのでは」 というか、べつに古典だって守っていませんよね。 クリスティの『ナイルに死す』とか、クイーンの『ドラゴンの歯』とか、古典にも、ロマンス要素をもり込んだ作品はたくさんあるわけです。 ドラゴンの歯 (創元推理文庫 104-20) 作者: エラリー・クイーン,宇野利泰出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 1965/07/23メディア: 文庫この商品を含むブロ