以前のように多くはないが、午後11時を過ぎても人通りが絶えない歌舞伎町=東京都新宿区で2020年12月17日、竹内紀臣撮影 新型コロナウイルス対応の最前線となっているのが各地の保健所だ。電話相談、PCR検査対応、陽性になった人や濃厚接触者たちの調査やフォローアップ、入院・入所の調整など、息をつく間もない業務が続いている。その渦中から見えてきた新型コロナの実像は、一般的な受け止めとは少し違うようだ。厚生労働省に長く勤め、公衆衛生行政に詳しい東京都中央区保健所の山本光昭所長(60)に聞いた。【オピニオングループ・永山悦子】 ――保健所では、新型コロナウイルス感染症について、どのような業務を担っているのでしょうか。 ◆感染症対応は以前から保健所の仕事であり、結核などの発生があれば、医療機関からの届け出を受け、感染症法に基づく感染拡大防止に取り組んできました。ところが、今回は電話相談、PCR検査の