「チュニクルサッティン、ニンダリーシガ、チュクルチェーニンダラン」 他人に痛めつけられても眠ることはできるが、他人を痛めつけては眠ることはできない。沖縄には、そんな言い伝えがあるという。元沖縄県知事の大田昌秀さんが『沖縄、基地なき島への道標』で紹介している。 これまで、沖縄の基地を他県に移そうと主張しなかった理由について、大田さんは「自らの苦しみ、嫌なものを他人に押し付けたくないことに加えて、県外への移設が問題の本質的な解決につながるとは思われなかったからだ」と記している。 鳩山由紀夫首相はきのう全国知事会に出席し、一部訓練移転など沖縄県の基地負担の全国分散に協力を要請した。だが、多くの知事が代理出席を立てたことからも明らかなように、「本土」側の空気は冷ややかだ。 米軍普天間飛行場の移設先は国外への道が断たれ、名護市辺野古に逆戻りした。訓練の移転先として念頭に置く鹿児島県・徳之島も