麻疹予防に有効なのは、唯一、予防接種です。ところが、成人麻疹患者のなかには予防接種をしていたにもかかわらず、感染した人もいます。 今年の大流行の原因として、東京都健康安全センターは「近年麻疹の発生が少なくなったために、予防接種の二次性ワクチン効果不全(secondary vaccine failure, SVF)の人が蓄積され、集団全体としての免疫が低くなっていた可能性が考えられます」との見解を示しています。 予防接種によってできた免疫は、麻疹が流行するたびに野生ウイルスに接触して強化されます。それが二次性ワクチン効果で、この効果によって強化された免疫が感染を防ぎます。昔に比べると、麻疹は小規模で地域的な流行しかみられなくなり、自然、野生ウイルスに触れる機会が少なくなり、強化されるはずの免疫がだんだん低下して効き目がなくなってしまったわけです。 麻疹は一度罹ると終生免疫が獲得されて、生涯罹