“ これは余談ですが、オレが留置所にぶち込まれたとき、オウム信者が独房に入ってきました。なんでもサティアンから脱走しようとした信者を監禁するコンテナの監視人をしていた人物ということでした。朝の運動時間は全留置人がいっしょになるんだけれど、ヤクザですら気味悪がってオウム信者には近づかない。しかし、オレは好奇心が旺盛なので、積極的に寄っていっていろいろ面白い話しを聞くことができました。 五十歳を超えたおっさんだったんだけど、夫婦で出家したそうです。ところが熱湯の中に長時間つかるという無茶な修行をやらされて、奥さんは死亡してしまいます。死亡届は出さず、死体を巨大な電子レンジみたいなもので焼却し、わずかに残った骨は硝酸で溶かして消滅させてしまったとのことでした。オウムに殺されたようなものですよね。後悔していないのかときいたら、「かたちが変わっただけなんです」と本気でこたえてきました。さすがにこうい