海外への委託はなぜこれほど増えたのか 今のアニメ業界では、「動画」や「仕上げ」作業の多くが「韓国や中国」に出されており、一週間に100タイトルもの作品が制作されているという過密なスケジュールを支えるために、これらの国と日本との間では、毎日のようにスタジオを回って原稿をピックアップしてはハンドキャリーで届けるという国際バイク便のような輸送体制が構築されているという。この話を聞いた時には、以前テレビのニュースで見た、東南アジアの日本料理店に東京の築地市場から魚を買い付けては運ぶ「運び屋」の姿が思い浮かんだ。 この「アニメ便」は、韓国や中国を下請けに使っている主要プロダクションが合同で費用を出し合って運営されているとのことだが、海外委託の魅力は、なんといっても労働力の安さにつきる。大手メーカーがこれらの国に工場(生産力)を求めるのと同じ理由である。 大きな変革期の渦中にある中国の物価や生活水