「北斗の拳」の導入部分で、世界が崩壊したことを如実に表わすのが紙幣の価値の崩壊だ。 激しく頭の悪そうなモヒカンがこう言って札束を投げ捨てるシーンは読者に結構な衝撃を与えたと思うのだが、この紙幣にケツを拭く紙以上の価値を与えることは不可能ではない。というか簡単だ。誰か実力者、たとえばラオウが「紙幣を持ってくれば交換に食物や生活用品など何かを与える」とか言えば良いだけだ。 そうすると、とり合あずラオウの周りでは紙幣が価値を持つ。あとはそれが流通していくだけだ。「これをラオウの所に持っていけば水や食い物が貰える」という噂が広まれば、紙幣を集め出す輩も出てくるだろう。紙幣というのは腐らないしコンパクトだし軽いし、物々交換のキーアイテムのとしては非常に便利だ。 ここでポイントになるのは、この段階ではラオウが紙幣の価値を担保している、ということだ。ラオウしか紙幣を物と交換できないのであれば、ラオウが死