新規入居に占める優先入居件数 市営住宅に11回落選すれば次は希望の団地へ優先入居できる――。大阪市がこんな制度を撤廃し、来年度にもすべて抽選制にする。わざと高倍率の物件に応募して落選回数を稼ぎ、好立地や築浅の団地を狙う「裏技」が横行。優先入居者が募集枠の3割程度に達したため、制度を見直すことにした。 優先入居制度が始まったのは1973年。当時は市営住宅が次々と新・改築されて人気を集め、平均倍率は約11倍だった。落選者の救済措置として年2回の定期募集に落ちると届くはがきを11枚集めれば、抽選なしで希望する地域の団地に入居できることにした。 しかし、市の調査では、2006〜09年度の年間入居枠約3千戸のうち「11回落選」での優先入居分が約1千戸に達した。昨年度も入居した2736戸のうち優先入居が約3割の785世帯に。抽選分は残る1951戸にとどまった。