長崎市が9日の「原爆の日」に開いた平和祈念式典にイスラエルを招待しなかったことは、日本以外の先進7カ国(G7)の駐日大使が式典を欠席する事態となり、国際的な議論を招いた。日本の国内行事がG7の結束を乱した形で、こうした事態も想定し長崎市とやり取りをしてきた政府・外務省内に、市の対応を評価する向きはない。 「長崎市の主催の行事だ。外交団の出席等を含めて政府としてコメントする立場にはない」 岸田文雄首相は、式典後の記者会見で、G7各国の駐日大使の欠席について、式典の主催はあくまで長崎市だと強調した。 式典にイスラエルを招待しなかった長崎市の判断を巡っては、G7各国の駐日大使らが長崎市に対する書簡で「懸念」を伝え、ウクライナを侵略したロシアとその同盟国のベラルーシと同列に扱うことは「誤解を招く」と指摘。米ユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」も声明で批判や懸念を表明した。 首相官邸