相模原障害者施設殺傷事件をどう受け止めるべきか 金閣寺放火事件のような妄想による犯行か、騒がないという日本の伝統的な犯罪対策 河合幹雄 桐蔭横浜大学法学部教授(法社会学) 2016年7月26日未明、相模原市の障害者福祉施設に、元職員が侵入し、職員を拘束バンドで拘束したうえで、用意した刃物で入園者を次々と襲った。その結果、死傷者45人、うち19人が死亡した。犯人は、そのまま警察署に自首した。 この大事件を前にして、我々は、どう受け止めるべきなのか、治安の観点から検討したい。このような場合、何が起きたのか、正しく理解することから始めなければならない。 この事件の第一の特徴は、単純に見れば、一度期の殺人事件として歴史上稀に見る19人もの死者を出したことである。そこから見ていきたい。日本の殺人事件について20世紀以降全て調べたが、人数に注目すれば、有名な津山の32人殺し(1938年)、テルアビブ空
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