バハマのイルカの暮らしから、日本の水族館のことを考える――海洋生物学者デニース・ハージングの『イルカ日誌』を訳して だいこくかずえ / 葉っぱの坑夫 科学 #イルカ#ハージング#海洋生物学 『イルカ日誌:バハマの海でマダライルカたちと25年』は、タイセイヨウマダライルカの長期調査の日々をつづった記録です。何かを、あるいは誰かを糾弾するために書かれた本ではありません。しかしこの本によって示された情報(イルカ社会の構造や様式、コミュニティや家族間の習慣や教育、日々の暮らしの楽しみや遊びなど)は、野生動物に対する人間の利用に、たくさんの気づきをもたらします。それはヒトという種が、いかに自分の種を中心に世界をつくってきたかということでもあります。 動物を扱う科学者自身が、人間中心主義のもと、調査や実験、分析を進めてきたことも、ハージングは指摘しています。調査対象をどういう存在と見るか、どのような付