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ブックマーク / yamio.hatenablog.com (2)

  • 届け、声。 - 壁の言の葉

    兄とは十歳。姉とは八歳はなれて生まれ落ちた。 そんな年齢差であるから兄弟喧嘩すら成立せず、殴りかかろうが蹴ろうが、笑ってあやされるばかりで、ストレスは日々幼い胸のなかに充満するばかり。 なんせ彼らが思春期を謳歌しているころに、こちらはようやっと保育園なのだ。 くわえて彼らは戯れに弟に負けてやるということをしなかった。 腕相撲であろうが容赦が無い。 将棋でもやろうものなら、 「桂馬の馬鹿っ跳び」 そう罵られ、文字通りの裸の王様にされての生殺しである。 そんな日々に、がきんちょの私のプライドはがきんちょなりに傷ついてしまうことになる。 おかげで正面からでは到底勝てないと、頭を使うことをおぼえた。 チップスターの缶に、日ごと夜ごとに屁を溜めて、寝ているその鼻に見舞ったこともあった。 圧政に苦しんだ挙句のテロリズムである。 しかし、気密性という概念が、幼い私にはそもそもなく、思いのたけを込めたガス

    届け、声。 - 壁の言の葉
    Re-KAm
    Re-KAm 2016/01/29
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  • 壁の言の葉

    というわけで全快へ、 と思いきやその夜明けに異変が起こる。 就寝中にひどい眩暈に襲われた。 それはもう遊園地のコーヒーカップではしゃぎすぎたときのような、船酔いのような、泥酔したときの天井がまわり続けるような、あの感じである。 姿勢をかえ続けながら目を閉じてどうにか朝を迎えたのだけれど、どこかまだ揺れている。 しばらくすると収まる。 姿勢や頭の傾きをかえるとまたはげしく揺れ始める。 全快を祝してどこか遠出でもしようかなどと考えていた己の浅はかさよ。 部屋に居てばかりでも気が塞ぐばかりなので近所の公園を歩いた。 検索すると、長く同じ姿勢を続けているとそういうことがあるそうで。 平衡感覚のカギを握る器官、例の耳の奥のかたつむり型の器官=三半規管の内壁の一部が、ときとして剥がれてその欠片が悪さをするのだそうだ。 対処法としては頭を振って欠片がおさまりのいいところに収まるようにする方法があるそうで

    壁の言の葉
    Re-KAm
    Re-KAm 2016/01/29
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