■早くから自転車操業疑い 経営破綻した安愚楽(あぐら)牧場(栃木)の旧経営陣らによる特定商品預託法違反事件で、同社の畜産事業が破綻前の9年連続で赤字だったことが19日、関係者への取材で分かった。同社は子牛の売却益から出資者への配当を生み出す「和牛商法」で事業を拡大したが、「本業」は年々低迷し、早い段階で出資金を配当に回すだけの「自転車操業」に陥っていた疑いが強い。「矛盾を抱えたビジネスモデル」(同社関係者)を立て直せず、最後まで出資金集めに奔走した結果、残ったのは4300億円にも膨らんだ負債だった。 【フォト】 安愚楽牧場に1億円出資の女性「ロマン裏切られた…」 「安愚楽の畜産事業はずっと赤字。結局、新規オーナーの獲得によって(経営が)成り立っていた」 昨年5月に開かれた債権者集会。破産管財人は集まった出資者に対し、安愚楽牧場の和牛商法を、こう断定した。和牛商法は、出資者に繁殖牛のオ