●有機農業に対する半世紀前の評価 1974年のアメリカ科学振興協会(AAAS:雑誌 Science の発行元)の年次総会で,パネリストは、有機農業に対して次のように評価した。 有機農業は科学的にナンセンスで,食糧について流行を追いかける変人の領域であって,大衆を混乱させ驚かせて食糧費用を余計に払わせる偽科学と評価した(W. Lockeretz What Explains the Rise of Organic Farming? in Edited by W. Lockeretz. ORGANIC FARMING: An International History. CAB International 2007.)。 しかし,その後,化学肥料や化学合成農薬に依存した農業の集約化が一段と進展し,化学資材による水質汚染,化学合成農薬の作物残留,化学肥料による作物体の硝酸塩濃度の上昇などによって,