はじめに 日本ではGAPについての考え方がまちまちで、少々混乱しているようです。少なくとも先進国では、持続的で安心できる社会が求められ、自然環境に深く関わる農業の問題点が指摘され、国の重要な農業政策になっているにも関わらず、日本においてGAPの意味が正しく理解されていないとすれば、農業関係者だけではなく、日本国民にとっても不幸なことです。 GAPは、農業そのものの本質的な課題であるにもかかわらず、GAPの意味を議論することもなく、単なるビジネス・ツールや、経営管理の手法であるという捕らえ方しかしていないことに問題があるのではないでしょうか。 そこで、GAPの概念が生まれた欧州で、「なぜGAPが生まれたのか、その中身は何なのか」ということを、もう一度しっかりと捉えてみたいと思います。欧州におけるGAPの歴史に学ぶことによって、その本質を見つけることが出来れば、日本のGAPについての混乱が解消