公文書の改竄(かいざん)、捏造(ねつぞう)を行ってきた現政権。かつて、日本軍の最高司令部「大本営」も、太平洋戦争下に嘘と誇張で塗り固めた公式発表を繰り返してきました。当時の軍部は現在に置き換えると政権。政治の中心でなぜ、情報の改竄、捏造、隠蔽が起きるのか? そしてそれがどういった結末を迎えるのか? 2016年に発売された辻田真佐憲さんの『大本営発表~改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争~』は、正確な情報公開を軽視する政治の悲劇、悲惨さを教えてくれます。今こそ読むべき一冊。あらためて「はじめに」をご紹介します。 大本営発表の悲劇を繰り返さないために 大本営発表は、日本メディア史の最暗部である。太平洋戦争の時代、大本営がデタラメな発表を行い、メディアがそれを無批判に垂れ流し、国民がそれに踊らされた。今日でも大本営発表は、「あてにならない当局の発表」の比喩として頻繁に用いられている。 とはいえ、「大本営
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