Q. 押井監督も出演されていた『花束みたいな恋をした』の感想をお聞きしたいです! 僕は“時代の不安の記憶装置映画”だと思いました。 ── 今回は押井さんが出演というか、本人役でカメオ出演していらっしゃる『花束みたいな恋をした』についてです。“時代の不安の記憶装置映画”だと、この質問者は感じたようです。 押井 “不安”は感じなかったね。恋愛映画ですよ。いわゆる同棲ものでしょ? サブカル好きのふたりが出会って、5年間一緒に暮らし別れる。 私が気になったのは、ふたりが暮らすアパートというかマンション。多摩川沿いの広いベランダがある部屋。駅から歩いて30分で格安という設定ではあるものの、若くてお金があるとは思えないふたりが暮らすにはリアリティがなさすぎる。つまり、そういうリアリティを追求する映画ではないということです。 ── あのおしゃれなマンションは、私も気になりました。 押井 あれ、麻紀さん、
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