あだち充の『H2』は本当に名作だと思っているのだが、名作を名作たらしめる所以の一つは、人によってラストの解釈が分かれることにあるのではないかと思う。 ここでは表題通り、あだち充『H2』のラストについて、私なりに考察していきたい。 ▼関連記事 エンディングに至るまで 結末部のあらすじ ひかりの台詞の意味 試合前夜 「去年の夏」との違い ひかりと比呂のすれちがい エンディングの考察 あだち充マンガにおける「死者」 おわりに エンディングに至るまで 大まかにラストに至るまでのあらすじを説明すると、次のようになる。 結末部のあらすじ ・ひかりは英雄と交際しているが、ひかりの母の死などをきっかけに、自分は比呂に対して恋愛感情を持っているのではないかと思い始める。 ・比呂も春華と事実上交際しているが、ひかりに対する感情を捨てきれていない。比呂は、自分の初恋の相手はひかりであったが、それに気づいたときに