神経計算論・工学応用研究グループ > 主要業績1 1.シナプス可塑性のメカニズム ~シナプス・神経細胞レベルのいくつかの現象をつなぐ~ シナプス可塑性は、人間や動物における学習・記憶の基礎であると考えられています。シナプス前側の電気刺激によって生じるシナプス可塑性に関する知見は、1970年代から積み重ねられてきました。これらの知見から、後シナプスのスパイン内カルシウムイオン濃度に基づく単純な原則がシナプス可塑性を決定しているのではいか、という仮説が示唆されています。最近、シナプス前側の刺激に加え、シナプス後ニューロンも同時に刺激し、両者のスパイク発生時刻を詳細に制御して、シナプス増強・減弱がシナプス前後のスパイクタイミングの順序に依存する現象が発見されました (Markram et al. 1997; Bi and Poo 1998)。この現象は、STDP (Spike-Timing-De