安藤美姫(トヨタ自動車)、22歳。鈴木明子(邦和スポーツランド)、25歳。 もうベテランと呼んでもいい日本人女子選手二人が、ワンツーフィニッシュを飾ったグランプリ(GP)シリーズ中国杯。二人ともが、技術面でも芸術面でも充実した演技でのメダル獲得に、ふと荒川静香、村主章枝(陽進堂)が競い咲いていたころのことを思い出してしまった。 トリノ五輪前、それまでの五輪では、3大会連続で10代の選手が女子シングルを制していたころ。日本からは24歳の荒川と25歳の村主がそろって代表に選ばれたことを、誇らしく感じたものだ。 ほっそりした少女体型で、十分な体力もある10代の選手が、女子シングルでは有利と言われて久しい。でもほんの10年ほど前には、カタリナ・ビット(東ドイツ)やクリスティ・ヤマグチ(米国)といった20代の選手が、若い選手にはない深みあるスケートを氷の上で花開かせていたのだ。その当時、世間の