2015-04-01 【第6回】短編小説の集い 【第6回】短編小説の集いのお知らせと募集要項 - 短編小説の集い「のべらっくす」信じてもらえるかな。僕はふざけてる訳じゃないんだよ。いつも締切に間に合わせようと、なみなみならぬ努力してるんだよ!だけど、なぜか遅れてしまう…。きっと何かの呪いなんだよ。僕は呪われているんだ。 ふたりきりのお花見 「桐生くん、これ上げてくれる?」桜子は厨房でふき掃除をしている桐生に声をかけた。桐生は振り返って桜子が抱えた大皿を受け取ると棚の上に持ち上げた。「ありがとう。桐生くん背が高いから助かるわ」桜子は笑顔で礼を言うと手の甲で額の汗を拭った。閉店したあとの厨房はさっきまでの喧騒の余韻でひどく蒸し暑い。女の人には苛酷な仕事だよな。桐生は桜子の細いからだを見ながらそう思った。「ねえ、桐生くんはお花見とか行ったりする?」「花見、ですか…」桐生は戸惑いながら首を振っ