免許証のICチップに対応して機械に表示された本人情報の画面。本籍に「北朝鮮」と表示されている(一部画像処理) 運転免許証で「朝鮮籍」の在日コリアンの本籍表示を「北朝鮮」と記したケースが、各地で見つかっている。朝鮮籍は植民地時代の朝鮮半島出身者に便宜的に付与された表記で、北朝鮮の国籍を意味しない。「なぜ北朝鮮と書かれるのか」という当事者の抗議の声を受け、各都道府県警は従来の「朝鮮」という表記に戻し始めているもようだ。
原発の再稼働条件となる安全評価(ストレステスト)の一次評価に関して、原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長が「安全性の評価としては不十分」と発言したことを受け、関係閣僚は二十一日、火消しに追われた。「班目発言」が今後の再稼働判断の妨げになりかねないとの判断からだが、国民が不安視する再稼働をめぐって、政府内の発言は迷走している印象だ。 (関口克己) 藤村修官房長官は同日の記者会見で、班目氏の発言について「再稼働は総合的に政治が判断する。班目氏も一次評価で再稼働を判断する政府方針を否定しないと言っている」と述べ、沈静化に躍起になった。 政府は、再稼働の手続きについては(1)耐震性に余裕があるかないかを判断する一次評価を電力会社が行う(2)経済産業省原子力安全・保安院がそれを「妥当」かどうかを判断する(3)原子力安全委がその評価をチェックした上で、最終的に野田佳彦首相と関係閣僚が政治判断す
【ソウル=辻渕智之】韓国の国家機関、原子力安全委員会は十三日、韓国南部・釜山にある古里(コリ)原発1号機で定期点検期間中に外部電源が供給されず、非常発電機も作動しない事故が発生しながら、電力事業者の韓国水力原子力株式会社が一カ月以上報告しなかったと明らかにした。同委は十二日夜、事態を重視して今月四日から再稼働していた同機の停止を緊急指示した。 同委によると、事故は二月九日午後八時ごろ発生。外部電源の供給は十二分後に復旧した。ただ、原子炉の稼働を停止した状態の点検中だったとはいえ、給電が途絶して原子炉や使用済み燃料プールの冷却に支障が出かねない事故だった。 同委は事故が今月十二日まで隠蔽(いんぺい)され、報告されなかった点も問題視。韓国の原子力安全法は、原発施設の故障などの事実は遅滞なく同委に報告するよう定めており、同法違反の可能性もある。稼働停止の緊急指示を受け、同機は十三日午後十時ごろに
「何で本は読まなきゃいけなくて、漫画はダメなの」「そもそも漫画と本の違いって」-? 十三歳の中学生が本紙に寄せた投書が、反響を呼んでいる。六十歳の男性が「本は思考力を養う」と読書を勧めると、四十七歳女性が「思考力は本でも漫画でも養われる」と反論。古くて新しいこの論争、漫画や本の世界に携わる人たちはどう考える? (岩岡千景) 投書は、東京都港区の中学生須藤美佳さん(13)から。漫画を読んでいると母親から「本をいっぱい読みなさい」と言われるといい、抱いた疑問をつづった文が、二月六日の発言欄に載った。 これに、静岡県熱海市の会社員小磯清さん(60)は「大きな違いは絵がないこと」「絵がなければ、情景を頭の中で描きながら読む。それこそが思考力」と読書を勧める。すると東京都武蔵野市の自由業、田中ヒサコさん(47)が「漫画も思考力を養う」と意見を返し、発言欄で反響が続いた。
三月に就航する日本初の格安航空会社(LCC)の搭乗予約をした電動車いす利用の身体障害者、大久保健一さん(35)=兵庫県西宮市=が今月中旬、車いすの大きさを理由に予約を取り消されたことが分かった。大久保さんは「規定のサイズが小さすぎ、電動車いす利用者は乗れない」として、運航する「ピーチ・アビエーション」(大阪府泉佐野市)と国土交通省に改善を求める要望書を提出した。障害者団体は「電動車いす利用者が乗らない前提での運航は問題」と指摘している。 大久保さんは今月十一日、特別な支援が必要な人が予約に使うコンタクトセンターに電話し、三月の関西-福岡便を予約。折り返し電話があり、車いすのサイズを聞かれた。横幅六十センチ、奥行き九十五センチ、高さ八十五センチで、電動としては普通の大きさ。ピーチ社の内規では、機内に積める車いすは横幅、奥行き各五十センチ、高さ八十センチ以内で、「車いすを取り換えられないのなら
橋下徹大阪市長が代表を務める「大阪維新の会」の政治塾への応募者が三千三百二十六人に達したという。応募したのは現役の官僚や弁護士、医師、大学教授、地方議員などの面々▼現職の民主党の国会議員もいたというから驚きである。この中から次期衆院選の候補者が選ばれるだけに、橋下人気に便乗したいという思惑が透けて見える▼維新の会は、次期衆院選の公約となる「維新八策」の骨子も発表。既成政党からすり寄られるほど存在感が大きくなった橋下市長だが、大阪市の職員に実施している「思想調査」の内容はあまり大きく報じられていない▼市職員の組合活動を徹底的に調査し、実態を解明するという名目だ。アンケートの中身を読んでいて怖くなった。活動に誘った人物や特定の政治家を応援したことがあるかなど、組合活動を詳細に問う質問がずらりと並ぶ▼職場で選挙が話題になったことがあるか、組合に加入しないと不利益があると思うか、組合にはどんな力が
昨年秋、福島県各地の下水処理場の汚泥から相次いで検出された半減期の短い放射性ヨウ素131。福島第一原発からの放出を疑う声も出ていたが、最近は放出量は激減しているのに、福島以外の全国各地で検出され続けている。専門家からは甲状腺がんなどの治療で使われたヨウ素が、患者から排出されて検出された、との見方が強まっている。 全国の自治体が調べた下水道汚泥の放射性物質の濃度の値を、国土交通省がまとめている。事故後間もないころならともかく、札幌市や長崎市など福島から遠く離れた地域でも断続的にそれなりの濃度の放射性ヨウ素が検出されている。 仮にこれが福島第一に由来したものとすると、今も溶け落ちた核燃料が連鎖的な核分裂(臨界)をし、放射性ヨウ素が漏れ続けていることになる。ただ、核燃料の冷却が進み、大量の放射性ヨウ素が出る可能性は低い。
米から国の基準を上回る放射性物質が検出された福島県伊達市で、土壌汚染や被ばくへの懸念から耕作できなかった農家に対し、市農業委員会が田畑を耕作放棄地と扱う通知を出した。「農地として適切に利用されていない」として耕すよう指導。一月中旬に通知を受けた同市の小野寛さん(51)は「耕すと放射性物質が土に混ざる」と困惑している。 (中崎裕) 各自治体の農業委員会は農地法に基づき、年に一度、耕作放棄地を調査。最初の指導通知が届いた時点で耕作放棄地扱いとなり、所有者は原則的に新たな農地取得ができなくなる。同市農業委は今回、二百件ほどの指導通知を出した。
NHKが昨年末、国際的な低線量被ばくのリスク基準が政治的な判断で低く設定されたという内容の番組を放映したことに対し、原子力発電推進を訴える複数団体のメンバーらが「(番組内容には)誤りや論拠が不明な点、不都合な事実の隠蔽(いんぺい)がある」として、NHKに抗議文を送っていたことが分かった。 団体側はNHKに先月末までの回答を求めていた。NHKの広報担当は「番組内容に問題はないと考えているが、(抗議には)誠実に対応させていただく」としている。 抗議文は外務省の初代原子力課長、金子熊夫氏が会長を務める「エネルギー戦略研究会」、東京電力出身の宅間正夫氏が会長の「日本原子力学会シニア・ネットワーク連絡会」、元日立製作所社員の林勉氏が代表幹事の「エネルギー問題に発言する会」の三団体が作成、提出した。
(上)警視庁の警察官から職務質問を受けた現場に立つ男性=仙台市で(下)銃刀法違反とされた、男性の十徳ナイフ 東日本大震災の被災地で、がれきの撤去作業をしていた仙台市太白区の男性(47)が、警察官から職務質問(職質)を受け、缶切りやドライバーなどが付いた「十徳ナイフ」を持っていたことから、銃刀法違反容疑で約三時間にわたり任意で取り調べを受けた。男性は「被災地の実情を無視した捜査権の乱用」として十九日、弁護士と連名で警察当局に公開質問書を提出し、説明を求めた。 (大野孝志) 男性と弁護士によると、昨年十月九日午後四時ごろ、同市若林区の畑で、津波で流れ着いたがれきを撤去するボランティアをしていたところ、市内に派遣されていた警視庁の警察官から「そのがれきをどこへ持っていくんだ」と職質を受けた。
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