お金を借りるについては、借りる目的があります。お金を借りないでも、目的が実現できるなら、誰も、お金を借りたくないはずです。住宅が欲しいという目的が単に住みたいということなら、賃貸でもよく、ならば、住宅ローンは不要なのです。さて、銀行等の立場として、融資の申し込みに対して、どこまで、資金使途を突き詰めるべきなのか、融資しなくても、目的が実現できるときは、融資を断るべきなのか。 2008年の世界的金融危機の原因とされたものに、サブプライム問題がありました。サブプライムというのは、その名の通り、プライム(一定の高い基準)を下回る債務者の区分であって、通常は、簡単には、住宅ローンを借りられない層です。 ところが、こうした債務者に対する住宅ローンでも、大量に束ねて、債務不履行による損失の負担を統計的に吸収できるように構造化することで、実行可能にしていたわけです。ただし、大量のサブプライム住宅ローンの