我々、日本人が、今、議論すべき事は、「調査捕鯨を続けることが日本の国益に適うかどうか」である。シーシェパードへの感情論とは切り離して、調査捕鯨を継続するかどうかを、日本の問題として判断する必要がある。 調査捕鯨の歴史 南氷洋の捕鯨について簡単におさらいをしよう。戦後、食糧難を緩和するために、日本は米国の協力を得て、南氷洋捕鯨を国策として推進した。極洋、ニッスイ、大洋という3つの大手企業が参入したが、南氷洋のクジラが減少したことと、日本で鯨肉が売れなくなったことで、収益が悪化した。3つの会社の捕鯨部門を統合して、共同捕鯨という会社をつくったのである。 その後、南氷洋モラトリアムによって、日本は商業捕鯨を継続できなくなった。商業捕鯨再開を目指す日本は、鯨類研究所を設立し、共同船舶(共同捕鯨が名前を変えた)に調査を委託するという形式で捕鯨産業を守ったのである。この辺の歴史については、いくらでも資