「スープ飯」に見る味の素のプロモーション戦略 味の素が2009年に展開した「クノール ふんわりたまごスープ」のプロモーション戦略は、徹底的に情報の質にこだわった事例である。 発売から十数年が経つ定番商品であるクノール ふんわりたまごスープは、商品自体のニュース性が乏しい。味の素が消費者の関心を獲得するには、価格や機能ではなく、新しい「価値観」の提案によるニュースを作り出す必要があった。 その答えが「スープ飯」である。スープ飯とは、インスタントスープを活用して残り物のご飯を手軽かつ華やかな料理に変えるというコンセプトだ。味の素は、スープ飯という料理スタイルを訴求するプロモーション戦略を展開した。 では、なぜスープ飯だったのか。それはこのプロモーションを仕掛けようとしていた2008年末から2009年の時流が関係している。当時、「たまごかけご飯」や「ねこまんま」といった「楽飯ブーム」が一種のトレ