真夜中はなぜ、こんなにもきれいなんだろうと思う。 そんな印象的な一節から始まるのが、2011年に出版された作家・川上未映子さんの小説『すべて真夜中の恋人たち』。 08年に『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞して以来、作品だけでなく、オピニオンリーダーとしても多くの人を魅了し続けている彼女に、「光とともに過ごす日常」について話を聞いた。 作家・川上未映子にとっての「光」とは 私は10年近く前に、夜の光にすごくとらわれた時期がありました。夜には光しかない。それにすごく魅了されて一本の小説を書きました。光は調べれば調べるほど不思議な存在です。小説を書くにあたっては、量子力学の先生に光についてのお話を伺いました。色は、物に当たって反射した光線が、その波長の違いで、視覚によって区別されて感じとられるものだといいます。光より速いものはないですし、私たちがモノを見ることができるのは光があるからなんですね。
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