2021年に延期された第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で、日本館のキュレーターに選ばれた建築家・門脇耕三さん。彼が手がけるのは、名もなき昭和の民家を解体してイタリアに運び、会期を通じて現地で別の姿に建て変え続けるという、前代未聞のプロジェクトです。そこに込められた、現代の「建築」と「歴史」を問い直すコンセプトをめぐって、宇野常寛と語らいました。 コロナ禍で延期されたヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展をめぐって 門脇 実は去る2020年5月23日、僕が日本館のキュレーターを務めることになった第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展が開幕するはずでした。本来ならそこに宇野さんとPLANETSの皆さんに取材に来ていただく予定だったので、僕たちも喜び勇んでいたのですが、今回の新型コロナウイルスの危機で、翌2021年5月22日から11月21日に延期になってしまったんですね。 宇野 行けな