1980年代から活動するベネッセアートサイト直島の記録をブログで紹介する「アーカイブより」。今回は須田悦弘による家プロジェクト「碁会所」(2006年)について紹介します。 家プロジェクト「碁会所」 写真:渡邉修 「碁会所」という名称は、昔、碁を打つ場所として島の人々が集まっていたことに由来します。建物と庭の敷地全体を作品空間として、当時のアートディレクターと須田悦弘が手がけ、内部には速水御舟による「名樹散椿」から着想を得てつくられた木彫の「椿」が展示されています。 須田悦弘 "碁会所" (2006) 写真:渡邉修 須田の作品はベネッセハウス ミュージアムの「雑草」(2002年)のように、既存の建物のスペースに入り込むスタイルのものもありますが、「碁会所」では、建物と庭と木彫の植物をつくり、それらから成る空間そのものが作品となっています。須田は建物を建てる過程に携わったことを振り返って、「対