ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (17)

  • 所有は人を幸福にするか?──『人はなぜ物を欲しがるのか:私たちを支配する「所有」という概念』 - 基本読書

    人はなぜ物を欲しがるのか:私たちを支配する「所有」という概念 作者:ブルース・フッド白揚社Amazon人間にとって「所有」とは重要な概念だ。何一つ持たずに暮らしている人などそうそういるはずもないし、年末年始には毎年何を買って(所有して)良かったのかの振り返りが上がる。車や家など、所有がそのまま人生やその人の価値観や立場をあらわすステータス、象徴になるものも多い。所有しているものは自分の一部なのである。 われわれは新しいモノを買って所有しても、次はさらにもっと良いものを所有できないかと考える。その欲求には終わりがない。モノを所有することで、人はそれが奪われたり損なわれたりするのを恐れるようになり、行動に歪みが出ることもある。 モノを所有することで幸せになれると私たちは考える。だがむしろ、所有によってかえって惨めさが増すことも少なくない。富の蓄積にやっきになった一生をふり返り、「ああ、いい人生

    所有は人を幸福にするか?──『人はなぜ物を欲しがるのか:私たちを支配する「所有」という概念』 - 基本読書
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2023/01/09
    必要なのはもっと多くのモノではなく、いま手にしているものの価値に気付けるだけの十分な時間。
  • われわれは運動をするために進化してきたわけではない──『運動の神話』 - 基本読書

    運動の神話 上 作者:ダニエル E リーバーマン早川書房Amazonこの『運動の神話』は、『人体600万年史 科学が明かす進化・健康・疾病』などの著作や、身体活動に関する研究で知られる人類学者ダニエル・E・リーバーマンによる、運動についてのノンフィクションである。書名に「運動の神話」とついているのは、書が運動にまつわる神話とその実態を紐解いていくだからだ。 たとえば、運動の神話のひとつに「私たちは運動をしたがって当然だ」というものがある。われわれはもともと狩猟採集民で、日頃ずっと歩いたり走ったりと身体活動が活発な状態にあったわけだから、体を動かすのが当然なのだと。そうやって運動を推奨し、運動は薬だ、老化と死期を遅らせる魔法の薬だ、と吹聴しつづける人たちもいるが、著者はそうした人たちのことを”エクサシスト”(exercist)と呼んでいる。 運動なんてしたくなくて当然だ 実際のわれわれは

    われわれは運動をするために進化してきたわけではない──『運動の神話』 - 基本読書
  • すべてが成長する時代は終わり、素晴らしい停滞の時代が始まる──『Slowdown 減速する素晴らしき世界』 - 基本読書

    Slowdown 減速する素晴らしき世界 作者:ダニー・ドーリング東洋経済新報社Amazonこの『Slowdown 減速する素晴らしき世界』は、世界人口の増加も、経済の発展も、平均寿命も、負債も、技術革新も、すべての「加速」が終わって減速、あるいは停滞に向かうことを各種データから示していく一冊だ。加速する世界がいいもので、停滞は悪いものだとする価値観があるが、書は副題に「素晴らしき世界」と入っているように、決して次にくる停滞の世界が「悪いものである」という立場をとらない。 たとえば世界の人口はこの先一度100億〜110億あたりで天井へと至り、その後急速に減少していく。個々の国々からしてみれば人口が減少することは生産年齢人口が減ってGDPも税収も減少し国内市場が減少しと良いことがないが、世界的にみればこれは朗報だ。人数が少なければ少ないほどスムーズな意思決定が可能になる。ゴミを出し、エネル

    すべてが成長する時代は終わり、素晴らしい停滞の時代が始まる──『Slowdown 減速する素晴らしき世界』 - 基本読書
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2022/08/24
    いま私たちが心配している社会問題や環境問題は、将来、問題ではなくなる。もちろん新しい問題は現れる。
  • グーグルやフェイスブックによって、人間性が強奪される未来についての警告──『監視資本主義: 人類の未来を賭けた闘い』 - 基本読書

    監視資主義―人類の未来を賭けた闘い 作者:ショシャナ・ズボフ東洋経済新報社Amazonこの『監視資主義』は、ショシャナ・ズボフによって書かれた資主義と人類文化の未来についてを扱った壮大なテーマの一冊である。壮大なのはテーマだけでなく、文600ページ超え、注釈で+150ページ、値段6000円超えとあらゆる意味でヘビィ。ファイナンシャル・タイムズのベストブックオブジ・イヤーに選ばれ、netflixでドキュメンタリーも公開されるなど、アメリカでは話題になっているである。 www.netflix.com で、話題はともかく監視資主義って何なのよ、ってことさえわからないままに読み始めたのだけれども、これが想像していたよりももずっと射程の長い話で、おもしろかった。想像していたのはグーグルやフェイスブックのような企業が我々のプライバシーを金に換金している!! みたいな話で、実際、その想像通り

    グーグルやフェイスブックによって、人間性が強奪される未来についての警告──『監視資本主義: 人類の未来を賭けた闘い』 - 基本読書
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2021/07/25
    新しい形のディストピア。
  • なぜ、無意味な仕事ばかり増えているのか?──『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』 - 基本読書

    ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論 作者:デヴィッド・グレーバー発売日: 2020/07/30メディア: 単行この『ブルシット・ジョブ』は、文化人類学者であるデヴィッド・グレーバーによる「クソどうでもいい仕事」についての理論である。「クソどうでもいい仕事」とはなにかといえば、文字通りとしかいいようがないのだけれども、「その仕事に従事している人がいなくなっても誰も何も困らないような無意味な仕事」のことである。 原書で刊行された時から日でも大変に話題になっていた一冊で、楽しみに読み始めたのだけど、これがとにかくおもしろい! 確かに世の中にはブルシット・ジョブとしか言いようがないくだらない仕事が溢れているように見える。それがどれほどありふれているのか、またどのようなタイプのブルシット・ジョブが存在するのか。また、仮にこれが近年さらに増大を続けているとしたら、それはなぜなのか。そ

    なぜ、無意味な仕事ばかり増えているのか?──『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』 - 基本読書
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2020/08/11
    「雇用のための雇用」を権力が求めているから。
  • なぜ経済学者は信用されないのか?──『絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか』 - 基本読書

    絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか (日経済新聞出版) 作者:アビジット・V・バナジー,エステル・デュフロ発売日: 2020/04/17メディア: Kindle版2019年にノーベル経済学賞を受賞したバナジー・アビジット・Vとデュフロ・エステルによって書かれた「現代の経済学の信頼性を回復」させようとするノンフィクションである。先日発表されたビル・ゲイツによる「この夏おすすめの5冊」にも選ばれていた一冊でもあり、読んでみたのだけれども、これが非常におもしろい。 今の経済学というのは市民に対する信頼性を欠いていて、市民は経済学者のことなど信じていない、という問題設定のところからして「たしかに」と笑いながら納得してしまう。実際、イギリスのEU離脱に伴う国民投票において、イギリスの経済学者たちはこれがいかに不利益をもたらすかを説明し続けたが、ほとんどの人はいうことに耳を貸さ

    なぜ経済学者は信用されないのか?──『絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか』 - 基本読書
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2020/05/25
    経済合理性ではなく一人の人間としてみることで理由がみえてくる。
  • 『三体』の劉慈欣が「近未来SF小説の頂点」とまで言った、ページをめくる手が止まらない圧巻の中国SF──『荒潮』 - 基本読書

    荒潮 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者:陳 楸帆発売日: 2020/01/23メディア: 新書この『荒潮』は中国のSF作家を代表する一人と言われる陳楸帆による初の(そして今のところ唯一の)長篇SF小説である。陳楸帆の小説は、日でも刊行された現代中国SFアンソロジーである『折りたたみ北京』にも短篇「鼠年」が載っている。 この「鼠年」は、中国で遺伝子改造されたラットの逃亡と、その駆除隊に入った底辺層の駆除隊の青年を通して中国社会の苦境と世界を支配するゲーム・ルールを描き出していく、ローカル性とグローバル性が適度にブレンドされ、そこからさらにSFならではの情景に繋がっていく圧巻の短篇で、アンソロジー全体の中でも群を抜いておもしろかった。また、この『荒潮』は英語や、原語で読んだ人の評判もずば抜けて高く、最初から期待していたのだが──、実際読んでみたらこれがもうめちゃくちゃおもしろい! 久し

    『三体』の劉慈欣が「近未来SF小説の頂点」とまで言った、ページをめくる手が止まらない圧巻の中国SF──『荒潮』 - 基本読書
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2020/02/02
    世界へと訴えかける力を持った超傑作。
  • BIを導入したら本当に人は働かなくなるのか?──『みんなにお金を配ったら──ベーシックインカムは世界でどう議論されているか?』 - 基本読書

    みんなにお金を配ったらー―ベーシックインカムは世界でどう議論されているか? 作者: アニー・ローリー,上原裕美子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2019/10/11メディア: 単行この商品を含むブログを見るベーシックインカムという、最低限所得保障の考え方がこの世に存在する。簡単に説明すれば、一月3万なり10万なりを、制限をつけず全国民に配布しちゃいましょう、という考え方である。「え、毎月10万貰えたらメッチャ嬉しい、やったー!」と気分が沸いてくるが、実際には利点に関しても欠点に関しても様々な議論がある。 BIの想定される利点と欠点 たとえば、そもそも財源をどうするんだ、という問題がある。また、全国民に配分するということは、金持ちにも同様に配るわけなので、貧困者を狙い撃ちにしたほうがもっと効果的なんじゃない? 説もある。他にも、毎月10万も(仮に)もらえたとしたら、人々は働かなくな

    BIを導入したら本当に人は働かなくなるのか?──『みんなにお金を配ったら──ベーシックインカムは世界でどう議論されているか?』 - 基本読書
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2019/10/16
    BIは人を自由にする。
  • 最先端物理理論の提唱者が語る、時間の実態──『時間は存在しない』 - 基本読書

    時間は存在しない 作者: カルロ・ロヴェッリ,冨永星出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2019/08/29メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る時間は存在しない、といきなり言われても、いやそうは言ったってこうやって呼吸をしている間にもカチッカチッカチッと時計の針は動いているんだから──とつい否定したくなるが、これを言っているのは、一般相対性理論と量子力学を統合する、量子重力理論の専門家である、職のちゃんとした(念押し)理論物理学者なのである。 名をカルロ・ロヴェッリ。彼が提唱者の一人である「ループ量子重力理論」の解説をした『すごい物理学講義』は日でもよく売れているようだが、書はそのループ量子重力理論から必然的に導き出せる帰結から、「時間は存在しない」ということをわかりやすく語る、時間についての一冊である。マハーバーラタやブッタ、シェイクスピア、『オイディプ

    最先端物理理論の提唱者が語る、時間の実態──『時間は存在しない』 - 基本読書
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2019/09/11
    量子は相互作用という振る舞いを通じて、その相互作用においてのみ、さらには相互作用の相手との関係に限って、姿を表す。
  • SFマニアからビギナーまであらゆる層を満足させる、オールタイム・ベスト級の傑作SF短篇集──『なめらかな世界と、その敵』 - 基本読書

    なめらかな世界と、その敵 作者: 伴名練,赤坂アカ出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/08/20メディア: 単行この商品を含むブログを見るこの『なめらかな世界と、その敵』を端的に紹介すれば、SFマニアからビギナーまであらゆる層を満足させる、オールタイム・ベスト級の傑作SF短篇集である。とはいえ著者伴名練の名は、SFファン以外は聞いたことはないだろう。既刊行作は『少女禁区』という約10年前に刊行された中短篇集一冊のみで、その後も企画物のアンソロジーに散発的に短篇を発表しるのみだったから、普通は知る機会は多くはない。 だが、SFファンの間では、書の刊行前から伴名練の名は異常なほどの熱気でもって知られていた。というのも、商業発表作こそ少ないものの、同人誌に毎年のように新作短篇を発表しており、その作品の出来がまた凄まじかったからだ。それまでのSFの先行作を緻密かつ複雑に折り込み、舞

    SFマニアからビギナーまであらゆる層を満足させる、オールタイム・ベスト級の傑作SF短篇集──『なめらかな世界と、その敵』 - 基本読書
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2019/08/27
    時代を塗り替える傑作。
  • データ化すれば客観的に評価できるという考えの落とし穴──『測りすぎ──なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』 - 基本読書

    測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか? 作者: ジェリー・Z・ミュラー,松裕出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2019/04/27メディア: 単行この商品を含むブログを見る僕の業はWebプログラマで、こうした職業としてはありがちなこととして何社も転々としながら(時にフリーで)仕事をしているのだが、極少人数の企業をのぞけばだいたい「どうやって社員の成果を評価するか」といったところで試行錯誤している。 メンター的な存在が評価するようなケースもあれば、成果をできるだけ定量的・客観的に評価しようとするところもありと様々だが、やはりIT界隈ということもあり後者の機運の方が高い。より納得感のある評価制度があれば会社側も勤めている側もウィンウィンなので、定量的・客観的な評価が「当に」できるのであればそれは良いことなのだけれども、あんまり「こりゃうまくいっている!」というところは

    データ化すれば客観的に評価できるという考えの落とし穴──『測りすぎ──なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』 - 基本読書
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2019/05/21
    もっともすぐれた測定でさえ、汚職や目標のずれを生む恐れがある。
  • 異世界からの”帰還後に”苦悩を抱き続ける少女たち──『不思議の国の少女たち』 - 基本読書

    不思議の国の少女たち (創元推理文庫) 作者: ショーニン・マグワイア,原島文世出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/10/31メディア: 文庫この商品を含むブログを見る『不思議の国の少女たち』とは不思議な題名だが、読み始めてすぐに納得がいった。これは「不思議の国」や「ナルニア国」といったファンタジックな世界から”帰還した後”の少年少女たちが集まる全寮制の学校での物語なのだ。子供たちは異世界で大冒険を成し遂げた後、さまざまな理由によって元の世界へと帰還する。そして、その時の経験を大人たちに語るが、まずもってその内容が正しく理解されることはない。 大人からすればそれは子供にありがちな幻想的な誇大妄想、あるいは何らかの理由によって家出した時の、精神的トラウマによるショック症状にしか捉えられないからだ。そうした子供たちを救うために、学校は存在する。『入学するかもしれない子どもたちにと

    異世界からの”帰還後に”苦悩を抱き続ける少女たち──『不思議の国の少女たち』 - 基本読書
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2018/11/14
    行って、帰ってきた子たちの物語。
  • 自分が何を知らないのかを知ることの重要性『知ってるつもり――無知の科学』 - 基本読書

    知ってるつもり 無知の科学 (早川書房) 作者:スティーブン スローマン,フィリップ ファーンバック早川書房Amazon「何かを知っている」と言い切るのは、言葉の定義にもよるだろうが、なかなか難しい話だ。たとえば僕は電子レンジがマイクロ波を照射して水分子を振動させることで温度を上げる機械であることを知っているが、そのより詳しいメカニズムはよく知らないし、ましてや自分で部品から電子レンジをつくりあげることなんかできない。 自分を基準にしてしまって申し訳ないが大抵の人が電子レンジについて知っているのはこの程度のものだろう。人間はけっこう賢いし物知りだが、かといって一人で電子レンジを作り上げられるほど、たった1つのモノのすべての側面に精通するほど知ってはいない。書はそうした”人間の無知”についてのである。われわれはいったいどれほど無知なのか。われわれ無知で愚かな人間はどのように物を考え、どう

    自分が何を知らないのかを知ることの重要性『知ってるつもり――無知の科学』 - 基本読書
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2018/04/15
    知識は個人ではなくコミュニティの中にある。
  • 共感しない方がよりよい結果を得ることができる──『反共感論―社会はいかに判断を誤るか』 - 基本読書

    反共感論―社会はいかに判断を誤るか 作者: ポール・ブルーム,高橋洋出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2018/02/02メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る他者にたいして共感するのはいいことだと思われている。ひどいめにあった人をみて、強く感じ入り、そのつらさを共有する人は、一般的には善良な人だ。より多くの人がもっと他者に共感するようになれば、他者に暴力をふるったりすることもなくなるのではないかという考えもある。”もちろん、共感には利点があるけれども”、しかし全体を通してみると害も大きい。単純化すれば、それが書の主張となる。 私自身も、かつてはそう考えていた。しかし今は違う。もちろん共感には利点がある。美術、小説、スポーツを鑑賞する際には、共感は大いなる悦楽の源泉になる。親密な人間関係においても重要な役割を果たし得る。また、ときには善き行いをするよう私たちを導くこと

    共感しない方がよりよい結果を得ることができる──『反共感論―社会はいかに判断を誤るか』 - 基本読書
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2018/02/05
    ふわっとしてんなあ。
  • 45年の歴史が一冊に──『ハヤカワ文庫SF総解説2000』 - 基本読書

    ハヤカワ文庫SF総解説2000 作者: 早川書房編集部出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/11/20メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (5件) を見る基的な説明をしておくと、書はハヤカワ文庫SFに納められた作品が2000番まで割り振られたということで、記念にSFにマガジン2015年4,6,8月号で行われた特集をまとめて一冊にしたものである。3号に渡って行われたその特集とは、1番から2000番までのSF全てを解説するという離れ業で、隔月刊となってそのぶん分厚くなったにも関わらず3号を費やす巨大特集となったのであった。 には何か追加があるんですか、というのは当然気になるところだが、まず特徴的なこの異常な表紙──未刊になった『ターザン』シリーズを除いた1996点を繋ぎ合わせたもの──はすぐに目につくだろう。これは中で拡大バージョンが数ページに渡って掲載され

    45年の歴史が一冊に──『ハヤカワ文庫SF総解説2000』 - 基本読書
  • 鈴木さんにも分かるネットの未来 (岩波新書) by 川上量生 - 基本読書

    これは凄く良かった。どこかが突出して良い、コンセプトがいいというよりかは全体的に満遍なく良い。スタジオジブリの「熱風」という一般には販売されていない雑誌に連載されていたもので、「鈴木敏夫さんでもわかるように」書かれているので僕の両親(50代半ばだから世代が違うが)にも渡せるような出来だ。内容としてはそういう前提があるから、「ニコニコ動画とはなにか」「ネット住民とは、リア充とはなにか」というような少しでもネットに触れている人なら「そんなの知っているよ」と思うようなところから流れを説明してくれる丁寧さがある。 鈴木さんにも分かるネットの未来 (岩波新書) 作者: 川上量生出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2015/06/20メディア: 新書この商品を含むブログを見るいくらネットにどっぷり日常的に浸かっている人たちであったとしても、それぞれ得意分野であったり興味分野が異なっているものだから、

    鈴木さんにも分かるネットの未来 (岩波新書) by 川上量生 - 基本読書
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2015/06/23
    良い本ですよほんとに。
  • 押井守のガールズアンドパンツァー語り - 基本読書

    ガールズアンドパンツァーは素晴らしいアニメだった。 プロットはシンプルで、何よりも実際に戦車が動き、戦車ごとの特性が戦術、戦略に取り入れられ話が進んでいくのに感動した。そんな企画が通ったのもかわいい女の子しか出てこない「萌え」を配置した点があってのものだろうし、よかったなあ、そんな特殊文化がこの世には産まれていて、と無邪気に僕は思っていたのだが押井守さんの語りを読んでいたら、ずいぶんとそのことにとまどっているようだった。 一回もまともに見ていないと言い、「そもそも受け入れられる根拠がよくわからない」というその語りが面白い。よくも観てないのにこんなに語れるものだな、というぐらい語り尽くしている。ただそれだけアニメ文化の流れ、系譜というものを今までずっと分析してきたからこそ語れる内容でもある。しょうじき僕は全く詳しくないので、下記ロボットと兵器の区別など、安易なのではないかと思う区別もあるけれ

    押井守のガールズアンドパンツァー語り - 基本読書
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2013/05/10
    存在している乗り物が「現実か、フィクショナルなものか」というのはそこまで大きな問題なのだろうか。
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