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  • 2万分の1:新規化合物が新薬になる確率:生命の理解、そして「理解」の理解。

    某大手製薬会社の幹部と話をしてきました。 大学へ講演に来てくださり、その後の懇親会でいろいろとお話を伺うことができまして。 講演の一節に、製薬にかかるコストのことがありました。 日の主要製薬会社18社の過去の製薬開発を見てみると、 1つの薬を開発するのに9~17年、平均500億円がかかっているそうです。 2万種類の新たな化合物を合成しても、 臨床段階を通過するのが3種類、 申請段階に到達するのが2種類、 最終的に承認されるのが1種類。 平均して2万分の1しかないと。 以下、その幹部の人とのQ&A。 Q:この2万分の1という確率は海外でも同じなのですか? A:およそ似たようなものです。 Q:この確率を上げるためにどのようなことをされているのですか? A:会社ごとに、データのライブラリーを交換したりして、ネガティブデータの共有を図っています。 Q:交換されるライブラリーは等価値なのです? A

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    SavingThrow 2008/09/11
    1つの薬を開発するのに9~17年、平均500億円かかる。2万種の新たな化合物を合成→臨床段階通過が3種類→申請段階に到達が2種類→最終的に承認が1種類。確率2万分の1。製薬の合併でもシステム・人事の統合が最大の課題。
  • 就職することにした理由:生命の理解、そして「理解」の理解。

    久方ぶりの更新になります。 過去3ヶ月何をしていたかといいますと、 就職活動 をしていました。 はい、就職することにしたわけです。 半年前までは98%博士まで進む意気込みでしたが、 わずか半年で98%就職という状態に。 過去3ヶ月、書くことがなかったわけではなく、むしろ書きたいことがありすぎたのですが、私としては具体的な会社名を挙げて書きたかったので、責任回避の観点からSNSを利用していました。 以下に、就職することに決めた理由を書き留めておこうと思います。 1.ポジティブな理由 1.2全人的に成長したい 最初に「就職したい」と強く思ったのは、立て続けに魅力的な社会人とお会いした頃からでした。これが3ヶ月ほど前。 その方々は、世界を俯瞰する視野を持ち、確固たるヴィジョンを持っていました。 話の構成や内容も論理的でした。 多忙の中、無償で一学生の私に対して何時間も時間を割いてくださいました。

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    SavingThrow 2008/01/14
    理系院生(修士)が就職したくなった理由:会社さえ選べば急激な成長曲線を描ける、将来は研究室をバックアップするシステムを構築したい、早く経済的に自立したい、研究界を取り巻くこの鬱屈した雰囲気から逃げたい
  • 病院に対する経営コンサルティング:生命の理解、そして「理解」の理解。

    コンサルティング会社のセミナーを覗いてきました。 テーマは『医者やバイオ研究者はいかにしてコンサルタントとして活躍できるか』。 2年前、このテーマとは異なる同社のセミナーに参加したことがあり、 その時には感動するようなレクチャーを披露してくれたので、今回もそれを期待していきました。 (どう素晴らしかったのかを語り始めると止まらないのですが、一言で表すなら「日米の政治構造の差異をクリアに見せてくれた」ことです。その説明を聞いた後は、ニュースの理解力がまるで違ってきました) 残念ながら2年前の感動は味わえなかったのですが、それでも医療・製薬業界に関して興味深い情報を得ることができました。 以下、その要約。 「現在、製薬業界では開発の生産性が急激に低下している。 30年前の20分の1程度である。 様々な化合物を漁り尽くして、簡単には有力な新規化合物を作れなくなっていることがその理由だ。 わが社

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    SavingThrow 2007/08/31
    マッキンゼー?の『医者やバイオ研究者はいかにしてコンサルタントとして活躍できるか』に参加した感想。病院に対して経営改革をトライしたときの話とか。
  • 病は気から:ノセボ効果研究の現在:生命の理解、そして「理解」の理解。

    [Review] F. Benedetti et al, When words are painful: Unraveling the mechanisms of the nocebo effect Neuroscience 147, 2007 「病は気から」という諺は、 「病は気から治る」という意味と 「病は気から始まる」という意味の両方で解釈ができます。 前者の、薬ではないのに「これはよく効く薬です」と言って飲ませると治ってしまうのがプラセボ効果。 後者の、毒ではないのに「これは体に悪い薬物です」と言って飲ませると当に体調を崩してしまうのがノセボ効果。 このレビューは、ノセボ効果のメカニズムがだんだんわかってきた、ということを報告しています。 なぜプラセボだけではなくノセボ効果も重要かというと、医者が「この薬は副作用があります」と言ってしまうことで、言わなければ発現しなかった症状が出

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    SavingThrow 2007/07/01
    毒ではないのに「これは体に悪い薬物です」と言って飲ませると本当に体調を崩してしまうのがノセボ効果。そのメカニズムがだんだんわかってきた、という報告。ノセボ研究はプラセボ研究よりも倫理的に実行が難しい。
  • 寒いと痛みが増すの機構にはNav1.8が関与

    寒いと痛覚が増すのは電位依存性Naチャネルが活性化するから Zimmermann et al, Sensory neuron sodium channel Nav1.8 is essential for pain at low temperatures nature 447, 14 Jun 2007 こういう論文、大好きです。 「そうそう、これが知りたかった!」と言いたくなるような、 日常の疑問に生化学レベルで答えを出してくれる論文。 肌が冷気にさらされていると、何かが肌に衝突した時、異様な痛みを覚えることがあります。 小学生のとき、なぜか縄跳びは冬の体育科目だったわけですが、 たまに失敗して手の甲や頬に縄が当たると非常に痛かったのをよく覚えています。 明らかに、暖かい環境で失敗するよりも痛いんですよ。 この現象はとても不思議でした。 当時考えたのは、 ・寒さで縄が硬くなっているからではな

    SavingThrow
    SavingThrow 2007/06/19
    寒いと痛覚が増すのは生体の過敏性の方が温度によって変わっていたから。低温だと電位依存性Naチャネルが活性化。低温下であっても痛覚は重要な情報であるため、このような機構が進化的に保存されてきたのであろう。
  • RNA研究の現在:The Economist特集より:生命の理解、そして「理解」の理解。

    今週の The Economist(16 Jun 2007)に RNAの特集がありました。 しかも表紙を飾っています。 (→The Economist のHP) 様々なRNA機能の発見が、いかに従来の考え方を覆し得るのかを解説しています。 rasiRNAs, XIST, PINC, SCN9A, HOX, samuraiなど、専門用語も遠慮なく出てきます。 もちろん、それぞれの性質を一行で概説する親切さはあります。 ソクラテス、孫子、『Back to The Future』、シャーロック・ホームズなどから 有名な言葉を引用したりして読者を楽しませる工夫もされています。 ジョークも20行に一つ以上出てきます。 (私が気付かないだけで、もっと多くあるのかもしれません) 政治経済誌なのにも関わらず、科学の最新かつ重要な知見を 科学的レベルを落とさずに詳説できるThe Economistはやはり素

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    SavingThrow 2007/06/18
    The Economistは、政治経済誌なのに科学の最新・重要な知見を 科学的レベルを落とさずに詳説してる。
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